夏目漱石「吾輩は猫である」76

夏目漱石「吾輩はである」76
朝日新聞
二十四時間の出来事を洩(も)れなく書いて、洩れなく読むには少なくも二十四時間かかるだろう、いくら写生文を鼓吹する吾輩(わがはい)でもこれは到底の企て及ぶべからざる芸当と自白せざるを得ない。従って如何(いか)に吾輩の主人が、二六時中精細なる描写に価する奇 …